もしも年金の審査が通らなかったら?!

もしも年金の審査が通らなかったら?!

近年の障害年金の審査は、非常に厳しい傾向にある様に思われます。提出した医師診断書が障害等級2級相当のレベルであっても不支給になることや障害等級3級に落ちることもあり得ます。精神疾患の場合、特に生来的な幼児期から発症されているケースに比べて成人に達してからのケースに多いように感じられます。

障害状態が等級レベルにある場合でも、不支給決定書からその原因を精査すると医師診断書以外の日常生活状況も相当、審査の対象となっているようです。ですから、障害年金の申請は、病歴・就労状況等申立書にて日常生活の支障や支援の様子をしっかりと綴り、場合によっては任意の様式で障害の程度を添付することも一対策です。また、医師診断書もきめ細かく審査の対象とされていることから作成の依頼時に主治医に十分に伝わっていないところはじっくり話合い診断書に反映させてもらうことは大切です。

しかし、障害年金の請求をしたが数ヶ月待って不支給の通知が自宅に届いた場合、または、期待していた等級よりも低い結果となった場合、諦めてしまう方もいらっしゃいますが、取るべき手段はあります。

ここでは、その手段について少しお話したいとおもいます。

以下、3つの手段があります。

➀ 審査請求

【概要】

決定に納得がいかない場合は、処分を知った日(翌日起算)から3か月以内であれば、現審査の見直しを書面にて主張できます。決定が下されるまでは概ね6か月ほどかかります。通常、審査請求をするケースとしては、1)初診日が特定できないとして却下された  2)障害の程度が等級外で不支給となった 3) 2級該当なのに3級に決定された 4)更新の際、等級が落ちた、支給停止となったなどが挙げられます。社会保険審査官(以下、審査官)は一度決定を下ろした日本年金機構との関連性が非常に密である以上、覆すことは相当難しいと考えて挑むべきです。既に申請している診断書、病歴・就労状況等申立書(以下、申立書)等に基づく内容からのみ再度審査がなされていることから、審査官側も現診断書、申立書内容のみから徹底して反証される可能性があります。先ずは争点を明確にして主張の根拠を明らかにして反証する必要があります。文章による反証だけでなく決定を覆すための検査票、日常生活状況の記録など客観的な資料も用意して添えるのも方法としてあります。

② 再審査請求

【概要】

更に決定に納得がいかない場合は、処分を知った日(翌日起算)から2か月以内であれば、審査請求が却下・棄却された場合でも再度、現審査の見直しを書面にて主張できます。決定が下されるまではこちらも概ね6か月ほどかかります。こちらも相手が社会保険審査会(以下、審査会)で厚生労働省の一組織である以上、審査請求より更に厳しいと考えて請求を検討するべきです。審査会の審理は、公開で行われるので請求人、代理人も出席して意見を述べることができます。この請求は、短時間でも請求人との対面が可能であり、自身の傷病状況を伝える最終のチャンスとも言えます。審査請求、再審査請求いずれももし覆れば、不支給の場合は障害認定日(以下、認定日)に遡りもらえることが可能となり、等級落ちの場合は等級が上がれば認定日に遡り差額分がもらえることになります。なお、等級落ちの場合、額改定請求という請求方法がありますが、こちらは権利を取得した日から1年後でないと請求ができないという制限があり、審査が下りた請求月の翌月分からしかもらえないとうデメリットがあります。

③ 再裁定請求

【概要】

再度、一から請求をやり直す方法となります。診断書等の費用や審査までの時間も更に約3~4か月かかります。また、審査状況や新規の診断書の取得が長引けば更に時間がかかることになります。しかし、審査請求と平行して請求することも可能であり、新たに診断書を取得することから、前回の審査原因が把握できているので時間はかかりますがチャレンジし易いのがメリットです。なお、再裁定請求では審査請求や再審査請求をしたことに対しての今後の受給に不利益を被ることはありません。不支給の原因が、初診日が特定できずに却下された場合などは、現診断書では対処できないので審査請求は避けて再度、新たな証明取得等により初診日を確定させてこちらの請求方法を選ぶべきです。また、傷病によっては障害の程度が等級外で不支給となったケースでも事後重症請求ができるので同様となります。この再裁定請求については、前回の申請記録を日本年金機構が保有している以上、却下の原因が年金制度加入上の問題である場合は、傷病の初診日の誤認が診断書等から客観的に認められない限りは難しいものとなります。

以上 

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